23 医学基盤プログラムは、縦断型プログラムの中心的な役割を担っており、6年間を通して、医師となるための心構えや、基本的な知識・技術を身につけてもらいます。主な科目は、医学概論、医学統合プログラム(SGLを含む)、医学実地演習(Early Clinical Exposure)、基礎科学特別講義、克己殉公・人文社会科学、医事法学、医療福祉論・医療倫理学、症候学・臨床医学概論、国際保健、医学工学、救急医学、形成・再建・再生・移植、医療の質と安全、リハビリテーション、基本臨床実習、臨床実習総括などで構成されています。 医学部教育では、医師国家試験合格を一つの目標とするだけでなく、学問としての医学に興味を持ち、卒業後の医学研究への動機づけや意欲を養うことが重要です。また、医師には、医学の進歩に関心を持ち、科学的探究心を維持し、最新の知識と技術を修得する努力が求められます。そこで、本学の教育理念「愛と研究心を有する質の高い医師と医学者の育成」の実現に向けた実践プログラムとして「科学的探求」を実施します。 ◎学生が主体となり、興味を持つ研究テーマを自由に選択します。学内外の研 究室に一定期間所属し、研究に参加することで医学研究の基礎を学びます。 ◎一連の研究体験を通じて、論理的・批判的思考、課題解決能力を養い、「愛 と研究心を有する質の高い医師と医学者」に必須の資質を育成します。 本講義では、医師になるために必須の知識・教養である行動科学(心理学)を扱います。行動科学は人間の心理、行動を科学的に研究する学問分野です。 この講義では、感覚・知覚、認知、学習、発達、感情、社会などの心理学諸領域を中心に実験、観察、検査などの心理学的方法論に基づいて蓄積された心理学の基本的な成果を学び、これらの知見を通して人間理解を深めることを目標としています。医師として、患者の理解に必要と考えられる心理学的な知識を修得し、1年次から3年次まで学んできた行動科学の内容を再確認した上で、人間の行動や心理の理解を深めるとともに、文化的社会的文脈のなかで人の心と社会の仕組みを理解するための基礎的な知識と考え方とリベラルアーツを学びます。 人工知能の医学・医療分野への応用という観点から、統計学やコンピュータリテラシー、情報プライバシーの概念、人工知能の基本的な考え方、人工知能の最新の活用例、Pythonによるプログラミングなどについて学びます。 国際的に活躍できる医療従事者・医学研究者となることを目標とし、そのために必要な英語技能を修得します。併せて、国際的な交流において求められるコミュニケーション技能を高めるとともに異文化への理解を深めます。この目標を達成させるために、1年次から4年次まで「英語Ⅰ」「英語Ⅱ」「英語Ⅲ」「英語Ⅳ」が各年次に配当されています。 社会医学とは、医療機関を受診した患者に対する診療行為である臨床医学に見合う形で、医療を社会的側面から理解するための専門分野です。保健・医療・福祉を三位一体として理解すれば、関連情報を適切に理解できます。 本学における社会医学の一分野である「衛生学公衆衛生学」は、健康とは何かをまず理解するところから始まり、様々な疾病(感染症・生活習慣病・精神疾患など)の予防対策、健康の保持・増進活動、医の倫理、保健・医療・福祉情報管理やプライバシー保護、医療安全対策などを学ぶことになります。 医学基盤プログラム 科学的探究 行動科学 医療情報科学・データサイエンス 外国語教育 社会医学CURRICULUM学年を超えて継続して学び、医師・医学者としての資質を高める。縦断型プログラム
元のページ ../index.html#24